超大型の21金長刀研ぎペン先を搭載し、重ねたエボナイト材にチラシ細工を施した重厚感のあるエボナイト万年筆「焔龍」。
日本画をモチーフにしたカラーエボナイト材を本体に使用したシリーズの第8弾で、今回は歌川広重による「雲竜」を採用いたしました。晩年の広重らしい縦長の構図に全身を入れるのではなく頭と爪を大胆に切り取って描いた洗練された引き算の美学による降龍の様子をエボナイト材に落とし込みました。
また、シリアルナンバーを刻んだ特別仕様として、同じものが世界中に二つとない限られた逸品となります。しっとりと手になじむ美しいエボナイト材の感触と唯一無二の長刀研ぎペン先のなめらかな筆記感をお楽しみください。

「雲を呼び、火炎を従える」漆黒の闇から猛々しく姿を現す霊獣の威厳ある姿を、チラシエボナイト技術で表現。
マットな黒をベースに、白いチラシ材で荒れ狂う黒雲を、灰色のエボナイトで靄(もや)が包む緊迫感を演出。さらに龍が従える猛烈な火炎を、黄味を帯びた鮮烈な赤のエボナイトを挿し色にすることで、圧倒的な迫力へと昇華させました。


実は広重は、絵師として独立する前は定火消(じょうびけし)という、江戸幕府の消防士の家系の生まれでした。
13歳で家督を継ぎ、しばらくは火消しと浮世絵師の二足のわらじを履いて生活していました。
龍は古来より、雨や水を司る「水神」として信仰されています。江戸時代、木造家屋が密集する江戸の町にとって、火事は文字通り致命的な脅威でした。かつて火消しの最前線に身を置き、炎の恐ろしさを知る広重が、黒雲を呼び雨を降らせる強大な龍(=火災除けの象徴)を描いたという事実には、単なる画題を超えた強い説得力があります。



限られた職人だけが作ることができる究極のオリジナルペン先。ペン先の先端に通常より大きいペンポイントをつけ、長刀の刃型のように長く、角度を滑らかに研ぎ出しています。
ペンを寝かせると太い線、立てると細い線が書けるという特長があり、トメ、ハネ、ハライなどが多い漢字を最も美しく筆記することができます。また、同じ字幅のスタンダードペン先と比べると太い線を書くことができます。筆圧をかけなくても滑らかな書き心地を実感できるペン先です。
万年筆のボディに最適な素材といわれているエボナイト材を、一本一本丁寧に削り出し、丹念に磨き上げました。
しっとりとした感触の心地良さ、深みのある光沢を楽しめる一本です。
また、三色を重ねたエボナイト材にさらに一色を散りばめ、大きなボディに美しさを際立たせました。
前作「梅咲」の優雅で繊細な表現から一転、今回のテーマとして掲げたのは、同じく歌川広重の最晩年の傑作『雲竜』。天を突き破るような黒雲と、龍が身にまとう凄まじい火炎の躍動感を、万年筆に落とし込みました。
まず黒と灰色が混ざりあわないよう注意し緊迫感のある黒雲と龍を表現、赤色についても黄味のある赤で広重の原画を何度も見返し、浮世絵独特の和絵の具が持つ「黄みを含んだ赤」を再現することにこだわりました。また白のチラシで舞い散る火の粉を、暗いエボ色の挿し色として表現しました。