1日の生活の終わりにペンを取り、夜を豊かに過ごすことを考えて作られた万年筆です。
万年筆のボディに最適な素材といわれているエボナイトを一本一本丁寧に削り出し、3種の夜を表現した機械彫刻やブラスト加工は、握りの良さ、感触の心地良さを楽しめる一本です。
通常より強いブラスト加工のサンドブラストと細かなビーズブラストによる触りの良い粗目のごつごつした質感で、夜の山裾で霞がたなびく様子を表現しました。
角度で表情が変わるダイヤカット彫刻により幾重にも重ねた円を施し、光の乱反射が起こり夜道に光るバックライトを表現しました。
深彫りした美しい縦目の機械彫刻により、人通りの少なくなった夜に吹く風を表現しました。
夜霞には霞たなびく、ほの暗い夜をイメージした黄みのある黒のインク。
夜光は夜景に光る車のテールランプをイメージした赤みのある黒のインク。
夜風は藍色の月夜に吹く風をイメージした青みのある黒のインクを100色の展開をしている「インク工房」より選択してセットにしました。
(夜霞:027、夜光:023、夜風:024)
セーラー万年筆独自の技術で成し得た21 金ペン先。
“しなる” ように紙面を滑り、常に安定したインク供給で快適な書き味が楽しめます。しなやかな書き心地は万年筆の原点が感じられます。
[夜霞]はエボナイト材へサンドとビーズによる2種類のブラストを施しています。
弊社ではこれまで行ったことのない表現を目指し、理想の質感をもとめてトライアンドエラーを繰り返し完成に至りました。
また[夜光]、[夜風]についても彫りの深さの違いによって柄の見え方の変化が生まれるため、よりイメージに近づける工程には苦労しましたが、その甲斐あって納得した製品ができあがりました。
『エボナイト彫刻万年筆』に描いた3つの夜をお楽しみください。