新たなシリーズ、「伝統漆芸 畷」は蓋に特長的な筋状成形を施し、機能美あふれる仕上がりとなっております。
地に施されたムラのある燻し銀箔は洋の雰囲気を醸し、そこに箔を散らし漆で仕上げています。
会津若松で三代つづく漆工房、「漆工よしだ」。
会津塗の技法に拘らず、器の用途により合うカタチ・技法を考えながら制作している漆工、吉田徹が万年筆に合うカタチ・技法を考えて生まれた「伝統漆芸 畷 万年筆」。蓋に伸びる筋は縦長の視覚効果と、持った時の指の掛かりによる蓋の開け閉めの安定感を考慮した形状で、まさに機能美といえます。
会津塗は、福島県の西部に位置する会津地方に江戸時代から伝わる伝統技法で作られた工芸品です。盆地特有の湿潤な気候が漆を扱う環境として適していました。縁起の良い意匠や多彩な加飾の美しさがあります。
会津塗の産業としての歴史は、1590年(天正18年)、蒲生氏郷が会津に入封したときに始まります。
江戸に近いこともあり、漆の木の栽培から加飾まで、作業を一貫して手がける一大産地となり技術革新にも取り組み、幕末には外国に輸出されるほどになります。
畷シリーズの最大の特長である蓋に伸びる筋状成形の長さは幾度もトライし、視覚効果と指かかりのしやすさを失わない長さの現形状に落ち着きました。
また箔散しの色・具合についても高雅に煌めく雰囲気が出るよう調整し、色名は金箔の雰囲気に来由し「かがやく」意味を持つ単漢字から命名しています。
金箔の色名「煌(コウ)」は「かがやく」または「きらめく」、銀箔の色名「耀(ヨウ)」は「かがやく」、「光り輝く」、銅箔の色名「赫(カク)」も「かがやく」という意味を持ちながら「赤い」「勢いがさかん」などの意味があります。